日銀にも嘘をついていた「スルガ銀行」

日銀にも嘘をついていた「スルガ銀行」

スルガ銀行は投資用不動産において不正融資を行ってきました。申込者からの通帳などの審査書類の改ざんを知ってた上で融資をしてきました。

 

結果、金融庁からの行政処分と共に過剰なまでの「不動産融資」を事実上停止しています。

 

一部「不動産投資」への融資を再開していますが、新築または築が浅い不動産物件のみということでかつての不動産投資ブームを作った銀行とは思えないくらいの規模縮小です。

 

日本銀行への報告を偽っていた「スルガ銀行」

昨日の発表で日本銀行(日銀)は2014年12月と18年2~3月にスルガ銀行に実施した考査で、事実と異なる虚偽の内容が含まれた議事録の提出があったと発表しました。

 

日本銀行による考査とは「考査契約」に基づくものとしています。金融庁が実施する検査とは異なります。

 

金融庁による「検査」とは、銀行の業務が適切な運営をできるように、法令等遵守態勢、各種リスク管理態勢等を検証します。また問題点に対する認識を確認したりします。

 

一方、日本銀行の「考査」というのは、融資できる機能がの適切かどうかを業務および財産の状況を調査するものです。

 

その結果に基づき助言等を行うのが日本銀行の役割です。対象となった銀行は正当な理由なく拒絶することは基本できません。

 

日本銀行はその事実を公表し対象となる銀行との当座預金取引等を解約することもあり得ます。

 

契約違反に当たるとして、スルガ銀に経営管理体制の改善策を報告するよう要請していますが、具体的な虚偽内容は明らかにしていません。

「嘘」をつくことが常態化していた「スルガ銀行」

2018年2~3月の考査では、各種会議の運営状況などについて事前に提出を求めた資料に、一部会議の存在や会議での報告内容が記載されていなかったとしています。

 

日本銀行に提出する資料を一部の担当者の判断で虚偽にしているとは到底思えません。資料提出を承認すべき上長か、もしくは経営層の意向も反映されていると考えた方が自然です。

 

そしてスルガ銀行は2018年5月、「かぼちゃの馬車」で有名になったシェアハウスや各種不動産向け融資において審査書類改ざんなどの不正が横行していたことを公表しています。

 

不正融資が表沙汰にならないように何とか乗り切ろうという姿勢がまたしても浮き彫りされた感じです。

 

もはやコンプライアンスもモラルもない金儲け主義が横行した銀行ということになると、自浄作用が働かない体質は今の経営層にも残っているのではないかと疑ってしまいます。

 

今回の発表が残念なのは、スルガ銀行ではなく日本銀行からだったことです。少しでも誠意があるなら、全ての悪い膿を出し切ることを先行すべきなのに、まだまだ闇がありそうです。

 

「スルガ銀行」は一連の不正は逮捕者も出ていません。しかし社会的な信用は完全に低下しています。

 

利用者からは「使い勝手の良い銀行」として、国の機関からは「革命的で優良な銀行」として評価されていたのは、もはや見る影もありません。