ファイナンシャルプランナーによる投資用マンション営業

ファイナンシャルプランナーによる不動産投資

ファイナンシャルプランナーの仕事は何か

ファイナンシャルプランナー(FP)から不動産物件を紹介されるケースが増えているようです。特に商品として案内しやすい新築ワンルームマンションが多いと言われています。

 

ファイナンシャルプランナーは相談者のお金の面で様々な悩みをサポートし、その解決策をアドバイスする専門家です。

 

個々人や家族のライフプラン(人生設計)に基づく将来の収支の見通しを立て、最適な資産設計・資金計画を提案、アドバイスを行い、その実行をサポートします。

 

しかし実際にはファイナンシャルプランナーに単独で相談する機会は少ないと思います。

 

国家資格であることには変わりがないですが、税理士や弁護士のような士業としての印象が少ないです。

 

ファイナンシャルプランナーは現在、日本ファイナンシャルプランナー協会の公式ホームページには全国に資格認定者数 181,297 人いると書かれています。

 

銀行や証券、生命保険など金融関連の会社を中心に資格をとる人が増加傾向にあります。

 

ファイナンシャルプランナーの現状

実際にファイナンシャルプランナーに相談する機会があるのでしょうか。

 

日本ファイナンシャルプランナー協会の調査結果からは、一般の多くの方は「名前を聞いてことがある」程度の結果が出ています。

有料で利用(相談)したことがある 1.2%
無料で利用(相談)したことがある 6.3%
利用したことはないがよく知っている 31.8%
名前だけ聞いたことがある 50.8%
知らない、わからない 9.8%

引用:日本FP協会「資産運用とFPに関する意識調査」

 

実際に相談する内容としては下記のような内容です。

保険の見直しについて 58.9%
住宅ローンの組み方 13.6%
老後の生活設計 40.4%
年金・遺族年金について 12.9%
子供の教育費について 23.9%
外貨建て商品の運用 12.7%
家計管理について 21.1%
住宅ローンの繰上げ返済 8.8%
株式・投資信託の運用 17.6%
相続対策など 8.4%
預貯金の運用 17.0%

相談内容には「不動産投資」のキーワードが含まれておりません。

 

話題の「老後資金2000万円不足」騒動につながる内容ではありますが、「私的年金」などは得意とする分野かと思います。

 

年金に関しては不動産会社の営業よりも専門的な知識があると思います。

 

したがって「老後資金2000万円不足」のような不安を解消するような提案が作りやすいのだと思います。

 

提案内容に「不動産投資」物件は親和性がある

新築ワンルームマンションであればファイナンシャルプランナーも販売しやすい商品かと思われます。

 

「生命保険の代わり」「相続対策」という視点であれば、販売している金融商品と同じく目的が合致しやすいです。

 

一般の方からすれば、威圧的な勧誘電話から体育会系の営業で出てこられるよりも、「□□生命」や「△△生命」の女性外交員の方が安心して話を聞きやすいのかと思います。

 

新築ワンルームマンション業者からすれば、ファイナンシャルプランナーから紹介することにより手数料が発生します。

 

しかし新築ワンルームマンションなので建築費などで多くの利益を多く取っています。

 

紹介とはいえ販売促進費と考えれば収支が合っているようです。いかに利益を取っているかが想像できます。

 

紹介手数料は、数十万円から100万円程度と言われていますので、ファイナンシャルプランナーとしてもメリットが大きい商品だと思います。

 

ファイナンシャルプランナーは「不動産専門家」ではない

綿密に計算された年金対策によるプランニングを提案することができるファイナンシャルプランナーですが、厳密には不動産営業の専門家ではありません。

 

中には宅建免許を持っている方もいるかもしれませんが、不動産運営に詳しいとは限りません。

 

空室対策や節税対策にも明るいファイナンシャルプランナーは少ないのではないかと思います。

 

物件の妥当性や立地のメリットが語れるわけではなく、新築ワンルームマンションのパンフレットをそのまま読み上げて、資産計画に落としているだけが大半なのではないでしょうか。

 

実際には紹介だけの業務で判断するのはオーナーである相談者です。

 

投資責任も相談者(オーナー)にあるので、購入後は不動産会社(管理会社)に丸投げして終わりになる可能性もあります。

 

特に個人で独立してファイナンシャルプランナーをされている場合は、利益優先で新築ワンルームを販売している可能性が高いかもしれません。

 

そうなると不動産会社と蜜月になり買わせることが目的化し、相談者側の立場で商談が進まなくなります。

 

オーナーとなる相談者の方も、生命保険の解約など親身な提案を受けていた流れで新築ワンルームマンションのセールス内容を鵜呑みに購入するべきではありません。

 

ファイナンシャルプランナーを信じすぎない

人の弱み、不安に漬け込んで、収支が成り立たない新築ワンルームマンションを販売しているとしたら悪質なファイナンシャルプランナーなのかもしれません。

 

人に相談することで解決できることはあります。特に専門的な知識が必要なお金に関しては、専門職に意見を聞きたくなります。

 

しかし、全てを信じることはこれからの時代はリスクがあるのかもしれません。インターネット上でも資産を計算したりできるサービスも増えてきています。

 

またAIによりそのような私的年金シミュレーションなども、今まで以上、自動化されていくのではないかと思います。

 

全てを情報を信じるのでなく自己防衛的に事実を確認して判断していくこともこれからは求められていくのではないかと思います。