「TATERU」不正融資のよる業務停止命令へ

6月21日にTATERUが行政処分の対象に

とうとう株式会社TATERU(以下、TATERU)が正式に行政処分を受けることになりました。国土交通省よりTATERU社へ業務停止命令を出す方針を固めた模様です。

業務停止命令を下すことになり一連の不正融資に対しての正式な処分が行われたということになります。

預金残高を実際より多く見せたりし、金融機関の審査を通りやすくしていたTATERUでしたが、レオパレス同様に組織的な関与があったという点で行政処分に踏み切ったと思われます。

国土交通省 関東地方整備局は6月13日付で関東地方整備局は、「TATERUに対し、宅地建物取引業法に基づく聴聞を実施します」と発表しており、今週末の令和元年6月21日(金)14時にさいたま市にて公開で本聴聞が行われる模様です。

宅地建物取引業者に対する聴聞の実施について

TATERUが行った不正融資件数の内訳

関東地方整備局の発表によると、今から4年近く前にさかのぼり平成27年7月頃から昨年の平成30年7月頃にわたり不正融資が行われたと報告されています。

不正融資一覧

東京都 13件
千葉県 23件
埼玉県 23件
神奈川県 6件
愛知県 88件
京都府 16件
大阪府 91件
兵庫県 46件
福岡県 23件
熊本県 7件

合計336件の宅地については、自ら売主として売買契約を締結し、又は媒介により宅地の売買契約を成立させるために不正融資が働いたとされております。

名古屋や大阪で多くの物件が対象とされていますが、TATERUが旧名インベスタークラウド時代に急成長したころとリンクします。

不正融資が始まったとされる平成27年である2015年は、12月に東京証券取引所マザーズに上場した年でもあります。

上場するために売上が必要となり不正融資が働いたとなると、すでに会社ぐるみで悪質な状況だったと思われます。

そして東証一部に鞍替えする2016年12月を過ぎてもなお、この不正は止めることができないくらい慣習化されていた事実であれば、会社としての責任が大きいです。

当時の営業部長、部長代理を中心とする31名が、金融機関から融資承認を得る目的で買主が提出した融資審査に必要な自己資金を示す証憑を改ざんに関与していました。

これを当時に蜜月であった西京銀行などに金融機関に提出して、融資承認をさせていたと思われます。

TATERUはすでに事実上、業務停止状態

TATERUは昨年末より新規受注の営業もできていないので、事実上「業務停止」状態にはなっています。

6月21日に宅地建物取引業法に基づき、TATERUに対する聴聞を開いたうえで業務停止命令を出しますが、停止期間や業務の範囲は今後詰めるとされています。

1年間なのか半年なのかは内容次第ですが、レオパレスのように現金が潤沢ではないと判断されますので、事業として会社としての存続がかなり厳しくなると予想されます。

TATERUは所有しているアパートを値段を下げての早期売却や子会社であるインベストオンラインの株式会社ジャパンインベストメントアドバイザーへの売却を発表をしていますが、進捗が思わしくような気配です。

今回の行政処分が関係者間ですでに織り込み済みで、交渉上、売却価格が成立していない状況に陥っているのであれば、現金化がさらに困難になっていくかもしれません。

すでに昨晩(6月18日)株価が夜間取引で30%近く急落しています。今後は株価の年初来安値も予想されます。レオパレスに対する投資会社レノのようなマネーゲーム化が加速しそうな予感がします。

「TATERU」が仕入れた「土地」までも売却して現金化しないといけない状況に追い込まれていると推測されます。

なぜTATERUだけが行政処分になったのか

今回の不正融資による行政処分はTATERU社以外でも行われたとされています。今回は東証一部上場企業として見せしめ的な要素が強く感じられます。

不正融資ではないものの「レオパレス」や「積水ハウス」による建築基準法違反のほうが世間的にはインパクトが大きいと思われますが、1年も経過して行政処分をした意図とは何でしょうか。

レオパレス社のほうが根深く悪質なアパート経営を支援していたと思われます。しかし様々な影響範囲があるためか、忖度が動いているのか行政処分までには至っていません。

スルガ銀行の不正融資、施工不良アパート、フラット35の悪質利用など一連の不動産投資に対して行政側の姿勢を示したと思われますが、TATERU以外にも悪質な動きをした会社は多数あったと思います。

今朝の日本経済新聞の一面トップにもなっておりインパクトが大きいですが、本当に浄化すべき悪質な会社を市場から退場させるべく迅速に行政処分に動いてほしいと思います。

TATERUオーナー1,824名への影響

業務停止処分となると広告掲載などの販促もできなくなります。空室となった際に募集集めにインターネットでの広告掲載もできなくなるとオーナーへの影響は大きくなります。

レオパレスほどのアパート自体に問題がないと思われるTATERU物件ではありますが、事業として成り立たなくなれば管理業務も存続できなくなる可能性も出てきます。

昨年末の決算説明資料では管理戸数は「19,693戸(入居率は98.4%)」の規模数であり、オーナー数は1,824名と記されています。

今後はかぼちゃの馬車と同じようにならないためにもアパート運営を継続するためのオーナーへのフォローが最優先になると思われます。

IoT(Internet of Things)を多用したユニークな物件で知られているTATERUアパートです。4月に子会社である株式会社Robot Homeと東京都板橋区にIoTアパートのモデルルーム発表したばかりですが、これ以上の継続が厳しくなりそうです。

TATERUはレオパレス、大東建託のような地方の地主への量産アパートを提案するのではなく、デザイン性のあるアパート経営に新たなトレンドを作った実績は大きいと思います。

上場企業としての過剰なノルマに翻弄された一部の営業が不正融資を起こしてしまったことにより、アパートの今後可能性が終焉してしまうのは本当に残念です。