西武信用金庫の経済的耐用年数は評価すべきか

金融庁から支持されていた西武信用金庫

今朝の日本経済新聞の記事が日経新聞に出ていました。

グレーな取引が事実にあったかどうかはまだ確定していないようですが、信用金庫の枠を超えた金融機関として画期的な方法で展開していたことが伺えます。

西武信金は外部の中小企業診断士と連携して3万人の専門家を擁すると称し、中小企業の経営を支援してきた。

地域金融に顧客本位の創意工夫を求める森氏が率いた金融庁の方針を体現しているともいわれた。

引用:日本経済新聞

金融庁もお墨付きとも思える記事内容ですが、実際に今までの金融機関にはない取り組みをしていたことは事実だと思います。

融資金額にこだわったその営業スタイルは、他も追随できない内容でした。

20103月末に8916億円だった貸出金残高は、2倍近い183月末に16618億円まで拡大し、伸び率は実に90%と驚異的な数字です。

通常の信用金庫の伸び率が平均の約10%と言われているので、いかに急成長してきたかを表します。

西武信用金庫が急成長してきた経緯

西武信用金庫は、西武グループとは何も関係もありません。元は「野方信用共同組合」として始まっています。

営業エリアが同じということで、クレディセゾンと共同運営するクレジットカードを発行している等の協業関係は存在しています。

西東京の西武線沿線の他の信用組合と再編しながら信用金庫となっています。

信用金庫の大手であった多摩信用金庫がメインである立川エリアを開拓し一気に業績を伸ばしたとされています。

その時の立川南口支店長が元理事長である落合氏なのです。

最後に渋谷に拠点を持つ平成信用金庫と合併するという勢いで西東京では収まらない勢いだったと思われます。

その急成長を支えたサービスが「不動産投資」への融資です。スルガ銀行と同じく融資が出ないと思われる物件でもスピードを持って承認していたことは周知の事実です。

私は都内の不動産物件ではなかったので実際には相談がしていませんでしたが、様々な不動産会社から「融資を受けるなら西武信用金庫ならできます」というような提案を何度か受けました。

信用金庫は支店のある地元エリアしか出さないという印象だったのですが、合併などを繰り返し店舗を拡張していくことで充実化を図っていたということでしょうか。

魔法の融資「経済的耐用年数」とは

不動産物件には建物の仕様により耐用年数があります。ただしこの耐用年数に関しては相当昔に設定された年数です。

今の建築技術からすれば、年数は伸ばしても良いのではないかと思います。

一般的な金融機関が融資をする際には「耐用年数から築年数を引いた年数」にて計算をします。

築古であればあるほど期間が短くなり頭金を用意しなければ充分なキャッシュフローが出ないということになります。

落合理事長が採択した「経済的耐用年数」とは建物仕様による耐用年数で計算をしておらず、経済的価値から判断して耐用年数を設定します。

建物がその使用目的に適応して、充分に使用目的を満足できうる年数ということです。

過去に落合理事長が「アメリカの中古物件の耐用年数の長さ(60年)」を事例にして政府の委員会を通じて耐用年数の質問をしたところ、金融庁に「そのようなことを指導したつもりはない」と言われたことで始まったとされています。

それが耐用年数超えの融資を始まり、他の金融機関も追随したとされています。

しかし先月末に発表された「西武信用金庫に対する行政処分について」では審査体制などから否定をされています。

西武信用金庫が残した功績は大きい

今回の行政処分は、一般的な人には何が起こったかわかりません。何か知らないけど「悪い金融機関」というレッテルを貼られただけにすぎないかもしれません。

どういう状況であれ、西武信用金庫は不動産融資に一石を投じたのは間違いありません。サラリーマンに不動産投資ができること機会を作った功績は大いにあります。

そういう点では過剰なノルマで不正融資をしてしまいましたがスルガ銀行も同様の評価になると思います。

しかし実際には収益性のある不動産に対して実施してきたのかは審査含めて評価が分かれるところでもあります。

融資が出たことによって不良債権化した物件になっている可能性もあります。

西武信用金庫が融資した物件が正しく経済効果を作ったという事実があって初めて評価されるのかもしれません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする