「TATERU」1億円アパートをバルク売りで30億円損失

TATERU アパート在庫を夏までに売却

TATERUが先週の金曜日に不良在庫化していたアパート全棟の売却計画を発表しました。思ったより早く事態は進行していたという感じでしょうか。

材料が出尽くしたとなればいいのですが、西京銀行からは絶縁状ともいえる発表もあったなかで、今後の展望が見えません。

販売用不動産の売却に関するお知らせ

当社は、本日以下のとおり販売用不動産の一括売却に係る契約を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

当該不動産売買契約における買主(法人)との契約上の守秘義務により、買主および売却価額については公表を差し控えさせていただきますが、売却価格は当社の直前の連結会計年度(2018 年 12 月期)における連結売上高の 10%に相当する額以上であります。なお、当社と買主との間には、記載すべき資本関係・人的関係・取引関係はなく、属性について問題はありません。

引用:TATERUサイトより

TATERUは1億円のアパートを作り続けていた

アパート売却の一覧は下記になります

エリア 棟数 戸数 土地面積(m2) 総床面積(m2)
東京 58 535 9,730.44 12,333.29
名古屋 28 249 5,480.43 6,873.47
大阪 26 231 5,349.16 6,907.46
福岡 10 77 2,060.17 1,881.14
合計 122 1,092 22,260.20 27,895.36

東京がダントツが多いですが、今までの販売実績も考えると千葉、埼玉、神奈川県あたりも含めたものだと思います。上記の数値から部屋数を算出してみます。

1,092(戸数)÷ 122(棟)= 9(戸)

1棟9部屋は、なかなか大きめの物件を作ろうとしていたのでしょう。TATERUの場合はIoTやデザインにこだわっていたので、建築費は高かったと思われます。過去の提案資料を見ていると1部屋が500~650万円ほどの単価になっていました。

9(戸)× 600万円 = 5,400万円(建築費)

新築アパート会社の収益モデルとしては、土地を安く建築費を高くで利益をとっています。TATERUは建築費の割合が高い印象があったのですが「土地代:建築費=1:2」といった感じになると思います。

1(土地代):2(建築費)= 2,700万円:5,400万円

さらに諸経費が15〜20%かかるとすれば、実に1億円近い物件を多数用意していたと予測されます。1億円の高額アパートを売り続けなければTATERUの成長路線は維持できなかったのかもしれません。

1億円の物件を売るには預金改ざんが必要?

新築アパートで中古アパートに比べれば高くなる傾向にはなりますが、融資が厳しくなりつつあるなかで、1億円の物件を購入できる層は限られてきます。

1億円購入で2割の頭金が必要となると「2,000万円」となります。属性の高いサラリーマンでも2,000万円を全額不動産投資できる人は多くありません。

あくまでも想像ですが、預金改ざんでもしない限りは到底販売できない状況だったのかもしれません。

そこまでしないと売れない物件は、すでにアパート商品として破たんしています。買う側と売る側のニーズがマッチしなくて、ただ自社の売上のために作り続けていたと思うと事業計画的にも無理があったかと思われます。

TETERU物件を購入された方は、「少ない資金で、1億円超えのアパートが購入できた」と最初は得意になっていたかもしれません

1棟あたり2,460万円の値引きで売却

本物件の売却により、2019 年 12 月期の連結業績及び個別業績において、30 億円程度の売却損が計上される見込みですが、今後の精査により、開示すべき事項が生じた場合には速やかに公表いたします。

30億円の損失となりますが、1棟当たりで2,460万円の損失ということになります。先ほどの試算でを考えると1棟あたり25%近くの値引きということでしょうか。

30億円 ÷ 122(棟)= 2,460万円

土地の値段が変わらないとすれば、建物部分に相当利益が積まれていたのかもしれません。

TATERUは不良在庫化したとはいえアパートで家賃収入を得ていくという選択肢もなかったのでしょうか。すでにビジネスモデルが崩壊した現状では、現預金だけでは経営を継続するには限界があります。

新規事業クローズ、本社移転、リストラか

今後は採算が合わない新規事業はクローズ、販売が見込めない支店、営業所閉鎖、本社移転などが考えられます。最後はリストラという選択肢も出てくる可能性が高くなってきます。

新興ベンチャーとして若い社員も多く集まってきたと思いますが、無謀な事業計画のもとで経営を展開したために、退職を余儀なくされるとしたら不憫でなりません。

TATERUは材料出し尽くしたかと思われますが、本業のアパートメント事業の立て直しが不透明なのでまだまだ終わっていないと思います。影響範囲が大きいため、売却後の展開を早々に発表することが必要かと思います。

「TATERU」が仕入れた「土地」までも売却して現金化しないといけない状況に追い込まれていると推測されます。
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